はじめに
「今週末は、ただ琵琶湖の波音を聞きながら、静かに焚き火を眺めたい……」
そんな贅沢なひとり時間を叶えてくれるのが、滋賀県のソロキャンプです。 滋賀県といえば、なんといっても琵琶湖。湖畔にテントを張り、刻一刻と表情を変える湖面を眺めながら過ごす時間は、他のどの地域でも味わえない圧倒的な没入感を与えてくれます。
滋賀県のキャンプ場は、ソロキャンパーにとって非常にバリエーション豊かです。車を持っていない方でもJR新快速でサクッと行ける「電車キャンプ」に適した場所、お財布に優しい「無料・予約不要」の緑地公園、そして「ソロ専用エリア」を設けて静寂を守っている隠れ家的な森。
今回は、最新のフィールド調査データをもとに、滋賀県内で特にソロキャンプにおすすめのスポットを10ヶ所厳選しました。 「自分だけの特等席」を見つけるための、具体的な設備や周辺の買い出し・温泉情報まで詳しく解説していきます。
都会の喧騒をリセットしに、琵琶湖のほとりへ出かけてみませんか?
1.【湖西エリア】湖畔の絶景と温泉をセットで楽しむ
滋賀県の中でも、特に水の透明度が高く、背後に比良山系を望む湖西エリア(高島市周辺)は、キャンパーに最も人気のエリアです。絶景と温泉を両立できる、ソロにぴったりの4選を紹介します。
① 六ツ矢崎浜オートキャンプ場(高島市)
滋賀の湖畔キャンプを代表する人気スポットといえば、ここ「六ツ矢崎浜(むつやざきはま)オートキャンプ場」です。 琵琶湖のすぐ横にテントを張れる開放感抜群のフリーサイトが魅力で、特に「ペット同伴不可の一般サイト」を選べば、比較的静かな環境でソロキャンプを楽しむことができます。
湖畔特有の穏やかな風を感じながら、水平線を眺めて淹れるコーヒーは格別。 車をサイト内に乗り入れられるオートキャンプ形式なので、重いソロキャンプ用ギアも楽に運び込めます。 ただし、週末は非常に混み合うため、静寂を求めるなら平日、あるいはシーズンオフの利用がおすすめ。近隣には「道の駅 藤樹の里あどがわ」もあり、地元の食材を調達してのキャンプ飯も捗ります。
② 奥琵琶湖キャンプ場(長浜市/高島市境界)
「湖畔もいいけれど、森の静けさも捨てがたい」という欲張りなソロキャンパーには、奥琵琶湖キャンプ場が最適解です。 ここは琵琶湖の最北端に位置し、滋賀県では珍しく「直火(じかび)」での焚き火が許可されている貴重なキャンプ場です。

林間サイトは木々が適度な目隠しになり、プライベート感が抜群。さらに、少し歩けば琵琶湖に出ることもでき、朝日が昇る幻想的な湖面を散策する楽しみもあります。 管理人さんが非常に親切で、初めてのソロキャンプでも安心して過ごせるアットホームな雰囲気も魅力。 冬場は積雪することもありますが、雪中キャンプの聖地としても知られ、一年を通して「本物の自然」と向き合えるフィールドです。
③ マキノ高原キャンプ場(高島市)
「キャンプの後は絶対に温泉に入りたい!」という方に外せないのが、マキノ高原キャンプ場です。 広大な敷地内には、川サイト、林間サイト、高原サイトなど複数のエリアがありますが、ソロキャンパーに特におすすめなのは「林間サイト」。夏でも涼しく、落ち着いた雰囲気が漂います。
最大のメリットは、敷地内に日帰り温泉施設「マキノ高原温泉さらさ」があること。 設営や撤収でかいた汗を、徒歩ですぐ流しに行ける利便性は、ソロキャンプの快適さを劇的に引き上げてくれます。 また、有名な「メタセコイア並木」も近く、キャンプの行き帰りに絶景ドライブや散策を楽しめる、観光とキャンプを両立させたい方にぴったりの拠点です。

④ 宝船温泉ファミリーキャンプ場(高島市)
「温泉併設」をさらに極めるなら、宝船温泉ファミリーキャンプ場は外せません。 その名の通り温泉旅館が運営するキャンプ場で、サイトのすぐ目の前が源泉かけ流しの温泉という、温泉好きにはたまらない環境です。
目の前は近江白浜の美しいビーチが広がり、波音を子守唄に眠ることができます。 施設の規模はそれほど大きくありませんが、その分、行き届いた管理がされており、ソロでも浮くことなく馴染める雰囲気があります。 夜、湖畔で焚き火を楽しんだ後に、とろみのある良質な温泉に浸かって「整う」。そんな至福のリラックス体験ができる、大人のためのソロキャンプスポットです。
2.【無料&電車OK】コスパとアクセスの「穴場スポット」
「もっと気軽に、低予算でキャンプを楽しみたい」「車がないけれど本格的なキャンプがしたい」。そんな願いを叶える、滋賀ならではの利便性の高いスポットを紹介します。
⑤ 湖岸緑地 志那1(草津市)
琵琶湖の東岸、草津市にある「湖岸緑地 志那1(しなワン)」は、関西のソロキャンパーにとって「最強の無料スポット」の一つです。 ここは滋賀県が管理する都市公園の一部で、なんと利用料が無料、かつ事前予約も不要(※2025年現在の運用状況、マナー遵守が前提)です。
目の前に遮るもののない琵琶湖が広がり、無料とは思えないほどの絶景を楽しめます。 炊事場や電源といった設備はありませんが、水洗トイレは完備。 車でのアクセスはもちろん、JR草津駅からバスを乗り継いで行くことも可能で、自立したスキルを持つ「徒歩キャンパー」たちが、自慢のミニマルな装備で集う聖地のような場所です。
⑥ 湖岸緑地 帰帆島3(草津市)
志那1と同じく無料・予約不要で利用できるのが「帰帆島3(きはんじまスリー)」です。 ここが面白いのは、対岸の大津市街や、比叡山の山並みを望むロケーションにあります。 夜になると、対岸の街明かりが湖面に反射する美しい夜景を眺めながら焚き火ができるため、都市に近い利便性と自然の融合を感じられます。

近くにスーパーやコンビニも多いため、現地での買い出しにも困りません。 「明日、急に休みになったからどこかへ行こう」と思い立ったその瞬間に出発できる、自由を愛するソロキャンパーの強い味方です。
⑦ マキノサニービーチ 知内浜オートキャンプ場(高島市)
「車はないけれど、高規格で安心できるキャンプ場に行きたい」という方には、知内浜(ちないはま)オートキャンプ場がおすすめです。 JR湖西線「マキノ駅」から徒歩約10分〜15分という、電車キャンパーにとって理想的な立地にあります。
駅から歩いて行ける距離にありながら、水質環境が非常に良く、美しい松林のサイトが広がっています。 温水シャワーや清潔なトイレ、ゴミ回収などのサービスも充実しており、バックパック一つで訪れるソロキャンパーを温かく迎えてくれます。 駅前のスーパーなどで食料を調達すれば、重い荷物を抱えて移動するストレスもなく、スマートなソロキャンプが実現します。
⑧ 妹背の里キャンプ場(蒲生郡竜王町)
琵琶湖からは少し離れた内陸部、竜王町にある「妹背(いもせ)の里」は、落ち着いた山里の雰囲気を感じられる穴場です。 滋賀県内でも非常にリーズナブルな料金設定で、ソロキャンプには特におすすめ。
園内には美しい池があり、春には桜、秋には紅葉と、四季の変化をダイレクトに感じられます。 ここはゴミの持ち帰りが基本となるなど、利用者のマナーに委ねられている部分が多いため、静かにルールを守って過ごすベテランソロキャンパーが多く、夜間の騒音トラブルが比較的少ないのもメリットです。
3.【ソロ・デュオ専用】静寂を約束する「隠れ家サイト」
「賑やかなファミリーやグループの隣になるのはちょっと……」と不安な方に。滋賀県には、利用人数を制限することで「静寂」をブランド化しているキャンプ場があります。
⑨ HAPPY山(大津市)
滋賀県大津市の山間にある「HAPPY山(ハッピーやま)」は、なんと「ソロ・デュオ専用」という、まさに静寂を求める人のためのフィールドです。 オーナー自らが山を切り拓いて作った手作り感あふれるキャンプ場で、自然の地形をそのまま活かしたワイルドなサイトが魅力です。
場内には小川が流れ、夜には一切の人工的な灯りがない「本当の闇」を体験できます。 「不便を楽しんでもらいたい」というコンセプト通り、設備はシンプルですが、それゆえに得られる解放感は他の追随を許しません。 ソロキャンパーしかいないため、周囲を気にせず自分の世界に没頭できる、滋賀県屈指の「隠れ家」です。
⑩ カスターニャの森(湖南市)
最後にご紹介するのは、湖南市にある「カスターニャの森」です。 ここには「SOLO & DUO AREA」という専用エリアが設けられており、1名または2名での利用者限定となっています。
真砂土(まさど)のフラットな地面は設営がしやすく、初心者ソロキャンパーでも安心。 「大人数でワイワイ楽しむのとは違う醍醐味を味わってほしい」という運営側の想いが反映されており、マナーの良いキャンパーが集まる場所として知られています。 清潔な設備と、静かに流れる時間。ソロキャンプデビューで「どこに行けばいいか分からない」と悩んでいる方に、ぜひおすすめしたい安心のスポットです。
滋賀でソロキャンプを成功させるヒント
滋賀県でのキャンプをより充実させるための、プロのアドバイスを2つお伝えします。
- 買い出しは「地元の大型店」を使い倒す 高島エリアなら、大型スーパーの「PLANT(プラント)高島店」が最強。圧倒的な品揃えで、キャンプ飯の食材から薪、炭、予備のギアまで何でも揃います。また、近江八幡方面ならJAの産直市場「きてかーな」で近江牛や地元の新鮮野菜を手に入れるのがおすすめです。
- 湖畔の「風」と「冬の積雪」に注意 琵琶湖畔は、天候によって強い「湖風」が吹くことがあります。風の強い日は、鍛造ペグをしっかり打ち込むなど、風対策を徹底しましょう。また、湖西・湖北エリアは冬場に激しく積雪します。冬に訪れる際は、スタッドレスタイヤやチェーンの装備を忘れずに。
まとめ
滋賀県のキャンプ場は、単に「泊まる場所」ではなく、琵琶湖という巨大な自然と対話するための「窓口」のような存在です。
- 圧倒的なレイクビューを楽しみたいなら → 「六ツ矢崎浜」「奥琵琶湖キャンプ場」
- コスパと気軽さを重視するなら → 「湖岸緑地 志那1」「帰帆島3」
- 静寂と温泉で癒やされたいなら → 「HAPPY山」「マキノ高原キャンプ場」
滋賀には、あなたのその時の気分に寄り添ってくれる多様なフィールドが揃っています。 次の週末は、少しだけ足を伸ばして、琵琶湖の青と森の緑に包まれる「極上のひとり時間」を過ごしに行きませんか?


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